アパートの外壁目地とは、アパートの外壁にある目地、つまり接合部や隙間のことを指します。
あまり目立たない部分ではありますが、大切な役割と重要性があります。
🔷外壁目地の主な役割
・防水性 ⇨ 雨水などが建物の内部に浸入するのを防ぎます。
・絶縁性 ⇨ 熱や音を遮断し、居住者の快適性を保ちます。
・構造的安定性 ⇨ 建物全体の構造的な安定性を維持します。
外壁目地のシーリングが劣化したり、破損したりすると、これらの役割が損なわれ、建物全体の価値や居住者の快適性に影響を及ぼします。
外壁目地の修繕作業において、【シーリング】が欠かせない存在になります。
シーリングとは、接合部や隙間を埋めるために使用される材料で、水や風、騒音や熱から建物を保護します。
接合部や隙間に充填するとゴム状に硬化する仕組みになっています。
🔷シーリングの種類
・シリコン系 ⇨ 高い耐候性と伸縮性を持つため、気温の変化や建物の微細な動きによる影響を受けにくいです。
しかし、塗料との相性が悪い場合があるため、塗装を予定している場合は注意が必要です。
・ウレタン系 ⇨ 耐候性と塗装性に優れています。
しかし、伸縮性はシリコンほどではないため、大きな変動が予想される目地には適していない場合があります。
・ポリサルファイド系 ⇨ 耐化学性に優れており、伸縮性も高いです。
しかし、施工が難しく、乾燥時間も長いため、専門的な知識と経験が必要です。
外壁材やその土地の気候に合ったシーリング材を選択することで、長期的な保護を実現し、
修繕のサイクルコストを抑えることができます。
また、シーリングが適切に施工されることで、アパートの外壁目地はシーリングの役割を果たし続け、
建物全体の寿命を延ばすことができます。
・構造的損傷 ⇨シーリングが劣化すると、雨水が建物内部に侵入しやすくなります。
これにより、木材の腐敗、金属のサビ、絶縁体の劣化などが生じ、構造的な損傷を引き起こすリスクがあります。
結果的に、建物の寿命が大幅に縮まり、多大な修繕費用が必要になる可能性もあります。
・居住環境の悪化 ⇨シーリングが劣化して隙間が生じると、冷気や暖気が漏れ、建物の断熱性が低下します。
また、騒音が侵入しやすくなるため、居住環境が大きく悪化する可能性があります。
・エネルギーコストの増大 ⇨ 断熱性が低下すると、冷暖房の効率が落ちてしまうため、結果的にエネルギーコストが増大します。
居住者にも大家さんにも余計な経済的負担をもたらします。
・建物価値の低下 ⇨上記の問題が長期に渡って続くと、次第に建物全体の価値を下げます。
物件の見た目の老朽化だけでなく、構造的な問題や居住環境の悪化は、満足度を低下させ、収益性の低下を招いてしまいます。
シーリングは、一般的には10年程度で劣化が生じるものとされています。
しかし、シーリングが劣化する具体的な時期は、使用されるシーリング材、施工品質、その土地の環境条件などにより
大きく変わっていきます。
特に紫外線や太陽の熱、風雨といった環境条件は、常に受けてしまうものであるため、それらによる劣化は避けられません。
紫外線はシーリング材を劣化させてしまい、太陽の熱によって外壁が膨張と収縮を繰り返すことでひび割れや剥がれが生じます。
そのため、シーリングの状態を定期的に確認し、適時に補修作業を行うことが重要です。
補修のタイミングは、一般的には外壁塗装の際に合わせて行うことが多いですが、外壁塗装の間隔が長い場合や、
厳しい環境条件下にある場合などは、それよりも早く修繕が必要となることもあります。
・硬化⇨シーリングは新たに施工した際にはゴム状で柔らかく、外壁同士の動きに合わせて伸縮する性質があります。
しかし、経年とともに、また紫外線の影響を受けると、その柔らかさを失い、硬くなります。
これにより、衝撃を吸収する力が衰え、外壁の膨張、収縮の動きについていけなくなります。
・亀裂の発生⇨ シーリングが硬くなり、弾力がなくなると、外壁の微細な動きに対応できず、細かい亀裂が生じます。
触ると硬さを感じることや、パリパリとした感触がする場合は、早めの対策が必要です。
・剥離⇨亀裂が深くなり、ついにはシーリングが壁面から剥離してしまいます。
これが発生すると、目地から水が浸入し、雨漏りの原因となります。
打ち替えとは、既存のシーリングを全て撤去し、新しいシーリングを打つ方法になります。
既存のシーリングを丁寧に取り除く手間と、新しいシーリングを打つ作業、両方が必要となるため、費用が割高になる傾向があります。
ただし、全てのシーリングを新しくすることで、目地の防水性や耐久性をより長期間維持することができます。
増し打ちとは、既存のシーリングの上から、新しいシーリングを充填する方法になります。
既存のシーリングを撤去せずに補修が可能なため、費用を抑えることが可能です。
しかし、既存のシーリングの上から新しいシーリングを打つという性質上、耐用年数は打ち替えに比べて短くなってしまう可能性があります。